北海道の方言、特に子供たちが使うことが多い独特の言葉をご紹介したいと思います。全国何処でもそうですが、子供の頃に頻繁に使っていた言葉も、次第に大きくなるにつれて使うことが皆無になってきます。これを通じて、少しでも小さいころを思い出すことができればと思います。
今回はその中から、じゃんけん、鬼ごっこを中心に、エッタ、天を切るなど、北海道独特の言葉
をご紹介します。なお、道民が全員使うということはありえないということを再度銘記していただければと思います。
グーとチーで合った人!
まずは、鬼決めをしなければなりません。そこで誰もがやるであろう決め方はじゃんけんです。北海道では「じゃんけんしょ」となります。あいこであれば「あいこでしょ」となるのが普通です。じゃんけんぽんは少数派。
ちなみに、3組に分かれたいときは、グーとチョキとパーで決定できますが、2組に分かれるときに、全国各地にさまざまなバリエーションがあるようです。道外のほとんどの地域では「グーとパーで」合わせることがほとんどです。石と紙ですね。
道産子にとっては「は?」となるものです。道産子はこの時「グーとチーで合った人」(石・はさみ)という掛け声となります。最近では、道外からの流入も激しくなり、グーパーも通じるようになってきてはいますが、まだまだ道内ではグーチーがかなりの勢力です。
エッタ!
「鬼ごっこしよー」「いいよー」「じゃんけんしょ!」「あんた鬼ぃー」「エッタされたら鬼だよ~逃げろぉー」
エッタと聞いて、意味がわかった方は道産子です。ほとんどの鬼ごっこをする際に用いるのですが、鬼ごっこ以外でも、クラスメートのいたずらで、次から次へとタッチしていく際に使っていた人もいるようです。言いやすくインパクトも高い言葉でした。
今述べたように、「タッチする」「捕まえた」という意味が含まれています。しかし、意味についてあまり考えずに育っていきます。大人になってそういえばあれはどういう意味だったのだろうと考えることになります。大人になるとほぼ100%使うことがなくなります。
語源については不明とされつつも最も有力とされている説は、ロシア語由来説です。ロシア語の「エータ」は「これ(英語のThis)」という意味ですが、それが訛ったともされます。定かではないとはいえ、北海道に近いロシア、さらには旧ソ連からの引き揚げの人たちもいますので、理解できなくもないでしょう。内地では差別用語ととられることもありますので、使用すべきではないでしょう。
ちゃんと「てんを切って」いますか?
この意味がわかる人も北海道人か東北の方かもしれません。水曜どうでしょうでも、北海道212カントリーサインの旅の企画でカードを抽出する前にこれを行っていましたし、「天を切る(てんをきる)」とも言っていましたので、謎だと思われた方も多いかもしれません。全国的には「切る」つまり手でカードをしゃきしゃきしゃきしゃきと切ることです。
トランプなどカードゲームでは、必ず「天を切り」ます。でないと、「ちゃんとてん切ってよ」と忠告されます。もともとは、花札の用語から来ているようですが、「トランプを切る」よりも「トランプのてんを切る」のほうがしっくりくる人が多い道産子です。
ちなみに、トランプの遊びの一つに「ページバン」があります。は?と思われた方、合っています。正式には「ページワン」ですが、全員ではないにしても、ページバンと聞こえるような発音をします。