北海道民は当たり前だと思っていても、他県の人間から見ると驚きの文化や習慣がたくさんあります。関西から札幌へ移住した筆者は、そのカルチャーショックをこれまでにも何度かお伝えしてきましたが、ある日、またしても驚くべき「北海道あるある」を知ってしまったのです。なんと、北海道民は海水浴場でテントを張ってキャンプをするのだとか何とか。にわかには信じがたい思いで、ビーチへと出かけてみました。果たして……!?
ビーチに軒を連ねる色とりどりのテント!
向かったのは札幌近郊の海水浴場、石狩市の「あそびーち石狩」です。駐車場から歩いて土手を越えると、海が見えてきました。
▼おぉ、泳いでる、気持ち良さそう!
海に入って思い思いに遊ぶ人々の姿も見え、取材だということも忘れてテンションが上がります。やっぱり夏はこうでなくっちゃ。しかし次の瞬間、見慣れないものが目に飛び込んできたのです。
▼……ん?
▼んん!?
▼んんん~っ!?
なんと、砂浜の上にテント、テント、テント! 海のすぐ近くで、本当にテントを張っている人がたくさんいます。話には聞いていましたが、いざ目の当たりにすると驚きを通り越し、感動すら覚えました。
単にパラソル代わりに小さなテントを張っている人もいれば、ガッツリと宿泊できるようにドーム型やツールーム型の大きなテントを設置している人もいます。
▼もちろん、ただ海水浴に来る人も多い
約800mにも及ぶ海岸線を誇るあそびーち石狩では、宿泊用のテントを設置できるエリアが決まっています。つまり、キャンプ目的で訪れた人は、当たり前かもしれませんが砂浜の上で寝泊まりするということ。一体どんな人たちが実際にキャンプをしているのでしょうか。突撃取材してみました。
実際にキャンプ中の2家族に突撃取材!
まず取材に応じてくれたのは、札幌から訪れていた菊池さんご家族です。取材日の前日から宿泊していたようで、ちょうど朝ごはん用の焼きそばを作っているところにお邪魔しました。
▼焼きそばが、いかにもキャンプっぽい雰囲気
文人さん優香さんご夫妻と、長男の子龍くん(11歳)次男の俐虎くん(9歳)三男の勝英くん(4歳)末っ子で双子の健くんと蒼汰くん(3歳)、総勢7名でキャンプを楽しんでいました。
▼ツールーム型の立派な自前テント
「海水浴でキャンプ? 北海道じゃ昔から当たり前のことですよ。でも、子どもが生まれてからは初めてですね」(文人さん)
「むしろキャンプが主で、私は海に入らないくらいです。まぁ子どもに付き合うことともありますけど、海水は冷たいし、できれば入りたくないかな」(優香さん)
なるほど。もはやキャンプが主な目的で、海水浴は二の次という人もいるのですね。
次に取材させてもらったのは、やはり札幌から来たという宮西さんご家族。なんと2泊する予定だということでした。
▼すでにひと泳ぎしてきた子どもたち
一郎さん信江さんご夫妻と、長男の翔大郎くん(14歳)長女の優杏菜ちゃん(10歳)次男の航志郎くん(8歳)三男の龍志郎くん(7歳)、総勢6名とワンちゃん1匹でキャンプに訪れていました。
▼やはりツールーム型のテントを設置
「自分の子ども時代から、海水浴でキャンプはしていましたね。でもここ数年で、昔よりテントの数が増えたような気がします」(一郎さん)
「バーベキューするのを楽しみに、毎年家族で来ています。テントももちろん、自前ですよ」(信江さん)
まさにキャンプ日和の天気で、菊池さん一家も宮西さん一家も、夏を目一杯楽しんでいる様子が印象的でした。ところで今回取材に協力いただいた2家族とも立派なテントを持参されていましたが、こうしたキャンプ用品を持っていなくても、海の家「おしゃべりな瞳」などでレンタルすることができます。
▼海の家「おしゃべりな瞳」
テントやバーベキューセットなど、必要なものは何でも揃っています。なんとバーベキュー用の食材までここで調達できるというから、驚きです。また、石狩観光協会でも「手ぶらBBQ」というレンタルプランが用意されています。軍手や紙皿まで揃っていて、まさに手ぶらで来てもバーベキューが実現できるというわけです。
海水浴にこんな楽しみ方があったなんて、そしてそのためのお膳立てもきちんとされているなんて、道外から来た人間には驚くことばかり。半信半疑で訪れた海水浴場でしたが、砂浜にテントが並ぶ光景はなかなか圧巻でした。
所在地:北海道石狩市弁天町地先
電話:090-8635-9239