秋のルアー釣り入門!北海道の海で豪快なサケの引きを楽しもう

北海道の秋の味覚といえばやはりサケですね!
産卵のため沿岸に集まってくるサケは地元でアキアジ(秋味)と呼ばれ、石狩鍋やチャンチャン焼き、そして何より赤い宝石のようなイクラ丼の美味しさは、誰もが思い浮かべる北海道料理の定番です。

そんなサケですが、実は海釣りでもゲット出来ることをご存知でしょうか?

例年8月のお盆あたりから10月頃にかけ、投げ竿やルアー(疑似餌)で銀ピカの大物を狙う多くの釣り人で、道内各地の港や浜は大いに賑わっているんです。

一度ハリに掛かったサケは強烈なパワーで暴れるため竿先は大きく曲がり、時には海面を割って大きなジャンプも見せることも。その豪快な大物釣りの魅力に加え、釣りたての新鮮なサケ料理がこれまた絶品の美味しさ! サケ釣りにハマる釣り人たちを毎シーズン魅了しています。

ただこのサケ釣り、初心者にはハードルが高いのも事実。釣りのベテランでも、やり始めの数年間は1本のサケも釣れなかった……などという話も聞きます。

そこで今回は、憧れのサケをゲットする最短コースとして、比較的入門しやすい「ウキルアー釣り」をご紹介しましょう。何事もまずはチャレンジです。

ウキルアー釣りとは?

サケのウキルアー釣りは、発泡素材を使った大きな「ウキ」の先に「ルアー」と呼ばれる疑似餌などを付けてゆっくりと引き、港の岸壁や砂浜などの海岸沿いで回遊するサケをアクティブに狙う釣り方。沖から岸まで「投げては引き」を繰り返すことで、広い範囲のサケを狙うことができます。

また、何本もの竿を一列に並べてじっと待つ他のサケ釣りとは違い、竿一本で始められる手軽さから初心者にも人気があり、各釣り具メーカーからも毎年、ウキルアー釣り用の新商品が発売されています。

ウキルアー釣りのタックル(釣り道具)は8アイテム

地域や釣り場によって異なりますが、一般的なタックルを紹介しましょう。
購入予算は入門しやすく、かつ永く使える中級クラスを想定してみました。

1.ロッド(竿) 1万円~2万5千円程度

ウキルアー釣り用9~12フィート(約2.7~3.6m)のカーボン(炭素繊維)ロッドが一般的。
長めのものは重く振りにくいのですが、使い慣れればいろいろな釣り場で有利です。ロッドパワーと呼ばれる竿の硬さは、重いルアーを投げて大きなサケを釣るため、ミディアムヘビー(MH)、またはヘビー(H)クラスと呼ばれる硬めのものを選んでください。
専用のロッドが各メーカーから多数発売されていますので、自分の技量や予算に合った1本を釣具店で相談してみることをオススメします。

2.リール(糸巻き) 5千円~1万5千円程度

ウキルアー釣りでは、「スピニングリール」と呼ばれるタイプのリールが一般的に使われています。
大きさは各メーカーで基準が多少異なりますが、リール本体や外箱に「4000XYZ」などと表記されている、3000番~4000番台のものを選べばよいでしょう。釣具店ではいろいろなリールが展示されているので、各回転部にガタつきがなく滑らかで、より軽めのものを探してみてください。

3.タモ(玉網) 5千円~1万円程度

港の防波堤など足場の高い場所から、掛けたサケを掬うために必要です。
釣り場にもよりますが柄の長さは3~6m、網の直径は60cm以上がオススメ。
水際で暴れるサケを自力で掬うのは難しいため、隣の釣り人や同行している友人に頼んで掬ってもらうのがベターです。

4.ライン(道糸) 2~3千円程度

ラインは大きく分けて、ナイロン製とPE(ポリエチレン)製があります。
サケの強烈な引きにも耐えられるよう、ナイロンラインは4~5号、PEラインは2~3号程度の太く丈夫なものを選んでください。ラインの長さはリールの大きさでも変わりますが、概ね150m程度あれば十分です。
最初は、比較的安価で扱いやすいナイロンラインから始めてみましょう。

5.ウキ 400円~千円程度

重たいルアーを水中に漂わせるために必要な、中通しタイプの大きなウキです。
あらかじめ仕掛け糸(リーダー)をセットして販売されているものもあり、ビギナーにはこちらをオススメします。ウキの大きさは、ルアーの重さによって使い分けるといいでしょう。

6.ルアー(疑似餌) 800円~千円程度

ルアーは形や重さなど種類が豊富ですが、サケ釣りには「スプーン」と呼ばれる楕円形の金属製ルアーを使います。遠投しやすく、引いても浮き上がりにくい30~50グラム程度の重さで、海中でヒラヒラと動きやすい幅広のタイプが主流です。産卵期のサケは派手な色や光る物に鋭く反応する習性があるため、蛍光レッドやピンク、メタリックブルー、アワビの貝模様を貼り付けたタイプなどが人気の定番カラーです。

7.フック(鈎) 300円~500円程度

ルアーの先に取り付けるもので、タコベイトと呼ばれるシリコン製の疑似餌の内部に、大きな1本鈎か2本鈎タイプのものが仕込まれています。タコベイトのカラーは、ルアーと同じくレッドやピンクが定番ですが、釣り場によって他のカラーへの食いつきがよいという場合もあり、いろいろ使い分けてみるのもいいでしょう。

8.エサ 200円~500円程度

ルアーの先端、タコベイト付きフックに付け、ニオイでサケを誘います。
多くの種類がありますが定番は塩で締めたサンマ。食紅で染めたイカや、ソーダガツオ、エビにニンニクパウダーをまぶしたものなど、釣り人のこだわりがエサにも表れます。

サケ釣りの4つのポイント

竿の振り方やリールの扱い方などは、一般的な他の釣りと変わりませんが、サケ釣りならではのテクニックも存在します。その中からいくつかのポイントをピックアップしましょう。

1.サケがいる釣り場を探そう

実はコレ、当たり前のようでなかなか難しいのです。遡上前のサケは海岸沿いを群れで移動しているため、群れがいない場所ではまったく釣りになりません。

事前に現地を下見して、常連の釣り人に近況を聞いてみるのが一番ですが、地元の釣具店や新聞、ネット、釣り好きの友人などから、最新の釣り情報を積極的に収集してみましょう。逆に、群れがいる釣り場に出会えたらこっちのもの。念願の1本はすぐそこです。

2.竿を振る場所を確保しよう

サケ釣りのシーズンになると、どこの釣り場も大変混雑します。
サケは主に早朝がよく釣れるのですが、常連の釣り人も多く、慣れない暗い港では思わぬ事故などに遭いますので、最初は日中の明るい時間帯がいいでしょう。午後になると釣り人が帰り、いいポイントが空いたりしますので、チャンス到来です。また、土日よりも平日が確実に空いています。休暇が取れれば狙い目ですね。

3.ウキルアーは「ぞうさん」を歌いながら引く!?

サケは水中の一定層をゆっくりヒラヒラ動くものをくわえる習性があり、ルアーの移動スピードが早いと食いが落ちます。投げ込んだウキとルアーを、秒速5~10㎝くらいの感覚でゆっくりと引いてみましょう。ベテラン曰く、童謡の「ぞうさん」を頭の中でゆっくり歌いながら、リズムに合わせてリールのハンドルを回転させるくらいが丁度よいスピードとのこと。皆さんもお試しあれ。

4.大きなアタリまでじっと待ち、アワセは鋭く!

サケのアタリは最初はコツコツと小さく、その後でグーッと大きく引き込みます。最初のアタリは焦る心を抑えて、大きなアタリが来るまで待ちましょう。
サケは口が硬くフックが刺さりにくいので、アワセるときはロッドを鋭く大きめに何度も煽り、サケがバレ(外れ)ないようラインを張って確実に寄せてください。

必読!サケ釣りのルールやマナーについて

豪快でスリル満点なサケ釣りですが、同時に、サケは漁業関係者にとって大切な水産資源でもあります。また近年、サケ釣り人口の増加によって、港の関係者に大きな迷惑を掛けるケースもたびたび起きています。以下のルールやマナーを守って釣りをしましょう。

・禁止されたエリア、釣り方で釣りをしない

河川での密漁はもちろんのこと、海岸や港のエリアによっても侵入禁止やサケ釣り禁止(河口規制)などのルールがあります。また、エサを使わずに大きなカギ鈎でサケを引っ掛ける「引っかけ釣り」も禁止されています。

北海道水産林務部漁業管理部のウェブサイトでは、道内の遊漁におけるルールやマナーを詳しく解説しています。釣りに行くエリアの禁漁区間や時期、釣り方など、出かける前に必ず目を通しておきましょう。

・迷惑駐車はやめよう

サケ釣りシーズン中の釣り場に多くの車が集まるため、港の関係者とトラブルになるケースが後を絶ちません。事前に釣り場の漁業協同組合に問い合わせるなどして、迷惑の掛からない駐車を心掛けましょう。港によっては釣り人用の臨時駐車場を設けている場合もありますので、要チェックです。

・ゴミを捨てない

どの趣味においても共通のマナーです。釣り場で出たゴミやタバコの吸殻は、必ず家に持ち帰って処分しましょう。特に釣り糸のゴミは野鳥にとって死活問題であり、釣り人自らが自然環境を守る責務があります。

・トイレはトイレで

釣り場で用を足す釣り人を見かけますが、漁師の仕事場である港を汚す行為です。指定されたトイレを使う、または釣り場近くのコンビニなどで買い物をするときに済ませておきましょう。

・足元に気をつけよう

港にはロープや漁具、杭、段差など、さまざまな障害物があります。釣り場への徒歩移動や釣りの最中に転ばないよう、足元は十分に気をつけてください。また、事故防止のためライフジャケットや滑りにくい靴を着用するなど、より安全な釣りを心がけたいです。

・海がシケたら勇気ある撤退を

サケ釣りのシーズンは、同時に台風のシーズンでもあります。あらかじめ天気予報などで現地の風や波を調べ、海がシケる場合は釣りに行くのをやめましょう。また、朝は穏やかでも昼から急にシケてきて、防波堤が波をかぶって戻れなくなるというケースもあります。風が強くなって波のウネリが出てきたら、潔く帰り支度をしてください。

最後に、シーズン中にどうしても1本釣り上げたいあなたへ

サケ釣りは、雑誌やネットで調べるのはもちろん、ベテランに同行してノウハウを教えてもらいながら一緒に釣るのが、上達への最短ルートです。釣り好きの知り合いを探してタックル選びから釣り方、そして美味しい食べ方まで、ひととおり学ばせてもらいましょう。

サケ釣りの魅力をさっそく体験したいあなたに!タックル一式の購入費用はまとめて、北洋銀行のフリーローンがオススメ。良い道具を揃えると、釣り場での満足感が違いますよ!

<撮影協力>
Oki-Doki釧路店

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