みなさんこんにちは。
オホーツク観光大使ラウフェンCukaです。
こちらの記事では、laufenが担当しているAir-G'(FM北海道)の番組「laufenのkita-note」で知床、オホーツクについて取材した模様を文字と写真でリポートします。
<第35回ゲスト>知床海域環境保全協議会・福田佳弘さん(2015年7月2日放送)
―― laufenのkita-note、Cukaがお送りしています。
私の故郷、知床にはたくさんの海鳥がいます。
その海鳥たちをもっと知ろう、自然と一緒に守っていこうという『海鳥WEEK 2015』が間もなく始まります。
この時間は、知床海域環境保全協議会の福田佳弘さんに知床の海鳥について伺おうと思います。
イランカラプテ!(Cuka)
福田:イランカラプテ!よろしくお願いします。
―― 知床にはどんな海鳥がいるのでしょうか、知床にしかいない鳥っているんですか?
福田:知床だけにしかいない鳥ではないのですが、北海道の中では知床で最もよく見られるという鳥はいます。
その中でも一番珍しい絶滅危惧種のケイマフリがいます。
―― ケイマフリは知床の海鳥のシンボルなのでしょうか。
福田:そうですね、シンボル的な鳥です。
―― どんな鳥なんですか?
福田:ケイマフリという名前の語源はアイヌ語で、「ケマ」が足、「フレ」が赤いという意味で「赤い足」という名前なんです。
名前の通り足が赤いことと、全身がビロードのように真っ黒い色をしていて、目の周りが眼鏡をかけたように白いことが特徴です。
―― どのような場所で暮らしているんですか?
福田:知床では主にウトロ側の断崖にある岩の隙間や穴に巣を作っていて、そこで卵を産み、ヒナを育てています。
―― 地上に降りてくることはあるのでしょうか?
福田:あまり地上には降りず、主に海の上でぷかぷか浮いています。
最も近いところでは、夕方頃にウトロの港の防波堤より外で泳いでいる姿をよく見ることができます。
―― 普段は何を食べているんですか?
福田:普段は小魚ですね、中でもヒナを育てる時期にはイカナゴという魚を食べます。
皆さんがくぎ煮にして食べるような魚が10~15センチくらいまで大きくなったものを、ヒナの為に持って帰るんです。
生態的にはペンギンに似たような生活をしていまして、普段はずっと海の上にぷかぷかと浮いていて、潜って魚を獲りに行きます。
―― ペンギンとは違って、ちゃんと飛べるんですよね?
福田:そうですね、飛ぶことも泳ぐことも出来る翼を持っています。
陸上には繁殖期の時期にしか上がって来ないのですが、歩く姿はペンギンと同じようにぺたぺたと歩きます。
―― どのぐらいで大人になるのでしょうか?
福田:卵が孵ったときは真っ黒いヒヨコのような様子で、それが大体40日ぐらいで巣立ちを迎えます。
その時には親鳥ほど大きくなく、少し小柄な姿で巣穴から出てきて巣立っていくんですね。
大きさ的には半年もすれば親鳥と同じくらいになってくると思うのですけども、子育てをできる年齢になるには3、4年かかると言われています。
―― 海鳥の周りの環境は、この数年でどのように変わって来ていますか?
福田:海の様子が変わって来ていまして、最近は夏になると鰤などの南の暖かい海で生活する魚がよく見られるようになってきました。
先ほどお話しましたイカナゴという魚は水温が高いと住めないので、これ以上水温が上がると餌となるイカナゴがいなくなって、ケイマフリもいなくなってしまうのではないかということをとても心配しています。
―― ケイマフリはイカナゴしか食べないんですか?
福田:夏の間は主に9割ぐらいイカナゴをヒナに持って帰っています。
イカナゴは低脂肪高タンパクで、ヒナに与えるエサとしてはすごく栄養価が高いみたいです。
―― なかなか代わりになる魚はいないのかもしれないですね、そうなるとすごく心配ですね……。
7月20日から始まる『海鳥ウィーク』は、どんなイベントなのでしょうか?
福田:ケイマフリをはじめとした海鳥を通して、知床の海やそれに関わる人たちがもう一度知床の海を見直し、またそれを観光客の方々に伝えていく。
見て楽しんで、守りたいという気持ちになっていただこうという企画です。
―― この時に海のハンドブックというものも発売されるんですね。
福田:はい、知床ウトロ海のハンドブックというものを作っておりまして、4年間販売しています。
知床の海が3倍面白くなるハンドブックになっています。
―― 面白そうですね!どんなことが書かれているのでしょうか?
福田:観光船から見られる景色や鳥、グルメの話なども載っていて、海に繋がる話が満載です。
―― どちらで購入することができるんですか?
福田:知床遺産センターや、知床自然センターで主に販売しております。
また、観光船乗り場の待合室や受付でも販売しています。
―― 見つけたらぜひ読んでいただきたいですね!
福田:はい、収益が海の保護活動に使われておりますので、よろしくお願いします。
―― 福田さんが考える北海道、知床らしい音ってどんなものでしょうか?
福田:やはり、ウトロの海が静かなときに聴こえてくるケイマフリの声が知床らしい音だと感じます。
口笛を吹いているような、よく通る高い声で鳴くんです。
―― 皆さんも知床に行ったら耳を澄まして聴いてもらいたいです。
『海鳥WEEK 2015』は、7月20日から31日まで開催されます。
様々な催しがありますので、知床にお越しの方はぜひ参加してみてください!
この時間は、知床海域環境保全協議会の福田佳弘さんにお話を伺いました!ありがとうございました。
福田:ありがとうございました。
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