【函館市】1956(昭和31)年5月に開園した函館市青柳町の『函館公園こどものくに』。レトロな雰囲気でいっぱいの小さな遊園地には、”国内最古”の乗り物と、2014年春に導入された”国内初”の遊具があることをご存知でしょうか?
※写真:函館山のふもとに位置する函館公園
唯一の「文化財である遊園地」、『函館公園こどものくに』
「こどものくに」がある函館公園の開園は、1879(明治12)年。運営する北海興業によると、2006年に、こどものくにの遊戯機械を含む函館公園全体が国指定文化財、登録記念物として登録され、唯一の「文化財である遊園地」という歴史を持ちます。そのこどものくにには、現在国内で稼働する中で最も古い観覧車と、国内で初めて遊園地に導入された重機を利用した遊具「ユンボ DE GO!」があります。
▼いざ、観覧車へ!
“ある意味絶叫系!?”の国内最古の観覧車
1950(昭和25)年に七飯村(当時)の大沼湖畔に設置され、1965(昭和40)年に現在地に移された観覧車。直径10mと小規模な観覧車ですが、こどものくにホームページでは”ある意味絶叫系”と紹介。そのわけは、囲いがないこと。ベンチに座り、前方の柵を閉め、降ろしたバーを手で握るタイプで、ボックスタイプのように周りが覆われているわけではありません。
※2019年5月23日付:公式に発表されていた観覧車のサイズが誤っていたことが判明しました。これまでのものより2m小さく、高さ10m、直径8mが正しい数値のようです。
スタートして徐々に高さが上がってくると、何とも心もとない気分でいっぱいに……。下を見ると怖いので、姿勢を正し周りを見回すと、左手には函館山山頂や、右側には津軽海峡を望むことができます。しかしやはり景色を楽しむ余裕よりも、国内最古の囲いがない観覧車というスリルが勝り、ドキドキしているうちに段々周りの景色が下がってくると、ホッと安堵を覚えます。
▼下を見ると怖い!
▼降りてくるとホッ。
さすがに大人は絶叫はしませんが、初めての方は心の中で「思ったより怖い~!」と叫ぶのでは!? そして、一緒に乗った2歳児は、1歳の時には全く動じなかったのですが、2歳になり周りの状況を見渡せるようになったのか、1周の間に何度か雄叫びを上げておりました……。
重機操作を味わえる「ユンボ DE GO!」
2014年のゴールデンウィーク前に導入された遊具「ユンボ DE GO!」は、中古の重機を改造して可動域を狭め、ぶら下げたおもりを動かしてボーリングのピンの絵が描かれたパネルを倒す遊具。
北海興業によると、イギリスにある重機を使った遊具を集めたテーマパークにヒントを得たそうで、国内の遊園地で初めての導入とのこと。左右のレバーを使い、おもりを上下左右に操り、制限時間2分間で何枚のパネルを倒せるか!? 働く車大好きな子どもには、本物の重機の操作を味わえるたまらない遊具です。
▼おもりを操ってパネルを倒す
▼上下左右、レバー操作が楽しい
他にもレトロでな遊具が色々
おばけやしきも小さいながら、耳元で鳴る効果音に適度に心臓を刺激され、怖がりな大人にはそれなりのスリル、小さな子どもは泣き出すかもという、ほどよい怖さ。スリルを味わった後には、おばけやしき上にある飛行機での空中散歩で切る風に、心地よさを感じるでしょう。歴史の長い施設ですが、毎日の点検と月1回の定期整備、繁忙期前の点検、年1回の国指定検査などを行い、現在も活躍しているそうです。
▼こぢんまりとしたレトロな園内
起伏があり変化に富んだ眺めを楽しめる公園内を散歩しながら、ミニ動物園を周ったり、歴史的建造物も楽しんだり。歴史的街並みが残る函館・西部地区のはずれにあり、谷地頭温泉や、津軽海峡の向こうに下北・津軽半島を望める立待岬も近いので、観光に訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
函館公園こどものくに・ホームページ