北海道の歴史を見ていくと、北海道に最初から生活しているアイヌ民族のほかはすべて内地からの移住民で成り立っているということがわかってきます。そう、北海道は日本各地の集大成なのです。ところで、北海道にやってきた人たちとは、どういう人たちなのでしょう?
はじまり~松前藩~明治
アイヌ民族の人たちが住んでいましたが、12世紀頃から徐々に和人が移り住み、さらに松前藩成立までに、道南渡島における和人の人数は増加していきました。しかしそれまで鎌倉時代には流刑地となっていたりしました。
しかし、この和人地域も徐々に拡大していき、ロシアの接近もあり、警備の名目で秋田藩・仙台藩・南部藩・津軽藩などがやってきました。東北地方の飢餓で逃れてきたり、出稼ぎ漁民の定住化、農業開拓事業、箱館開港などで人口が増加していきました。
開拓使と屯田兵と強制労働
徐々に人口が増加し札幌を北海道の中心都市行政区整備も進み、東京で移民募集したり、廃藩置県で落ちこぼれとなった士族たちがやってきて開拓をしたり、さらには兵農両方を行う屯田兵も導入され、各地に屯田兵村を設立していきました。
明治初期の10年くらいは主に士族層と屯田兵の移民が多かったようですが、その後徐々に大正時代にかけて離農者の移住も目立つようになりました。中には結社ぐるみの集団移住もありました。この時期、さらに別のグループとして、囚人の強制労働、タコ労働などの悲惨な歴史がありました。
移住入植はどこから?
北海道は日本各地から移住者がやってきて開拓がなされて、北海道が成り立っているわけですが、どこからの移住者が多いのでしょうか。最も多いのは東北地方や北陸地方で、これだけで全体の7割にもなります。
都道府県別でみると、青森県が第1位、2位は新潟県。これがそれぞれ約5万戸の移住者を迎えています。続いて秋田県、石川県、富山県。これがトップ5になっています。いずれも4万戸を超える都道府県です。参考までに続きは宮城県、岩手県、ここまでが3万戸台、山形県、福井県、福島県、徳島県、東京都。最も少ないのは九州や沖縄の地域でしたが、日本の全都道府県からやってきています。
移住入植してどこに行った?
さて、北海道にやってきた移住者たちはどこに行ったのでしょうか。ここでは当時の11国時代行政で表記しますが、最も多かったのは、北海道の中央機関のある、そして最も力を入れていた石狩で、合計20万戸でした。これがずばぬけて多かったようです。歴史ある函館がある渡島、後志地域にはそれぞれ7.5万戸ほどの入植がありました。続いて北見、胆振、十勝の各国でした。
それらの移住者たちは当時の千島国を含む北海道各地に散っていき、開拓を行いました。ほとんど団体移住が多かったわけですが、上位の青森県、新潟県、秋田県では団体よりも個人移住が多い状況でした。また、それら移住してきた人たちのうちほぼ半分の人たちが、農業に従事していたようです。
移住してきた多くの人たちはまず道央石狩国に入植、それから道南圏、道東や道北に移動するパターンが多かったようです。何度も移住したりしたため、流動性は激しく、地域住民との結束はあまりありませんでした。