北海道の山脈といえば「日高山脈」です。襟裳岬から北に、北海道を東西に
わけるように伸びているこの山脈、実は二つの地殻がぶつかって地上に高く
めくれあがったところです。北海道最高峰ではないにしても、日高山脈最高峰
の幌尻岳は2052mあり、その他にも1500m以上の山々が連なっています。
どんな特徴があるの?
このエリアは国定公園に指定されており、総面積は103447haで実に日本最大
の国定公園です!最初、道立公園に指定されており、昭和56年10月より
「日高山脈襟裳国定公園」として指定されることになりました。
南端は襟裳岬で、黄金道路が走っている東側の海岸は海触崖が続いていて
波によって道路がぬれていることもあります。北端は佐幌岳となっています。
また高山植物が豊富で、ヒダカソウなどこの地域独特の植物があることから、
アポイ岳は登山者にとって魅力的な山のひとつです。幌尻岳も登山者が多い
のですが、平成15年の豪雨の被害で林道を車で通ることができなくなったため
歩きで登山口までいかなければなりません。
このエリアの魅力は?
登山も魅力です。ですが、登山は時間がかかるので(笑)、時間がない方が
日高山脈の偉大さを実感できるのは、峠、そして十勝平野でしょうか。
日高支庁側からは、日高山脈の西側にだらだらと山々があるので、あまり
わからないかもしれません。しかし山脈の東側は、山の裾野からすぐに十勝
平野がどーんと広がります。なので、十勝平野から見る日高山脈は格別です。
白い雪をかぶった日高山脈と十勝の田園風景の絶妙なバランス、これは
感動的です。
日高山脈の上からも見て見ます。日高山脈を横断する大動脈はたったの3本
しかありません。そのうち1本は南部をトンネルで通してしまっています。残る
2つの路線はいずれも峠で、「狩勝峠」「日勝峠」です。札幌から帯広に抜ける
最短ルートは日勝峠です。この峠から見る十勝平野も感動的ですね。眼下に
どこまでも続くかのような田園地帯が広がっているのです。絶景です。
昔は日高山脈をどうしてたあ?
今でも横断する道路は3本、鉄道もぐにゃぐにゃ線路を描いている状況です。
また、登山道以外は人も立ち入れないような険しい山々になっていますので、
山越えは厳しいものでした。当初は南富良野の落合までは鉄道が通っていて
そこから十勝までは自力で、馬で峠越えをしていたそうです。日高山脈でも
比較的超えやすかった狩勝近辺が最も最初に開削され、鉄道も通されて
いったというわけです。ちなみに、十勝でもっとも最初に開拓されたのは一番
南の広尾町でした(えりも経由で海岸線沿いを通ればいいから)。
ですので、十勝エリアに文化が伝わる面で、障壁となったこともありました。
たとえば七夕の「北海道版ハロウィーン」の行事(ろうそくを出せよ~♪という
歌を歌って子供が各家庭を回る)も、日高山脈が壁のように聳え立っていて
十勝地方には広まらなかったとされています。