アイヌ古式舞踊って何?


アイヌ古式舞踊:鶴の舞

 2009年9月30日、ユネスコ無形文化遺産に登録された「アイヌ古式舞踊」。いったいどんな舞踊なのでしょうか?というのが今回のお題。

アイヌ古式舞踊の基礎知識

 アイヌ古式舞踊というのは、道内のアイヌの人たちにより伝承されてきた歌と踊りです。イオマンテなどの主要なアイヌの祭り、アイヌの家庭の祝宴で踊るものです。生活と芸能および信仰が結びついているという特徴があります。これには幾つか種類があります。

 「リムセ」というのは輪舞のこと。「ウポポ」というのは歌のことです。リムセは12種、ウポポは9種が伝承されています。アイヌ古式舞踊は、これらの要素によって構成されています。踊りの種類としては「儀式(奉納)舞踊」「模擬舞踊」「娯楽舞踊」があります。


アイヌ古式舞踊:弓の舞

作業歌舞:
 「ざるこしの歌」や「稗搗きの歌」にあわせた踊り
儀式舞踊:
 「エムシリムセ(剣の舞)」「クリムセ(弓の舞)」
模擬舞踊:
 「サロルンリムセ(鶴の舞)」「バッタの舞」「チロンヌプリムセ(狐の舞)」
娯楽舞踊:
 「棒踊り」「ヘクリサラリ(盆とり踊り)」「馬追い踊り」
 ほかに、即興性ある「シネオッカイトゥンメノコ(色男の舞)」など

 シキシキ(おどりくらべ)、シカタクィクィ(南東の風の踊り)、エルムンコィキ(ネズミ捕りの舞)、チャピヤ(燕の舞)、カムィイフンケ(クマの子守唄)、トノトヌンパリムセ(酒こしの歌舞)、フンペリムセ(鯨の舞)、アトイソー(舟漕ぎ舞歌)、チロンヌップリムセ(猟の歌舞)、シッチョイチョイナー(豊年踊り)など、数多くの舞踊があります。

 以上の舞踊には、コタンにって小さく異なるところがあったり、曲目が異なっていたり、地域によって差異があるとされています。

アイヌ古式舞踊保護

 アイヌ古式舞踊は、重要無形民俗文化財に指定されています。1984年1月21日に指定されました。

 道内には北海道アイヌ古式舞踊連合保存会があり、札幌、旭川、千歳、白老、平取、むかわ、日高門別、新冠、新ひだか、浦河、様似、帯広、釧路、弟子屈、白糠のアイヌ文化保存会が保護しています。