【函館市】2014年で築造150年を迎えた五稜郭。幕末の激しい戦いが繰り広げられた舞台は、五稜郭公園として、市民が園内や土塁をのんびり散歩する憩いの場になっています。毎年4月下旬~5月上旬にかけて、多くの花見客や観光客でにぎわう函館を代表するお花見の定番スポットですが、やはり、毎年見たくなる五稜郭公園の桜ならではの魅力があります。
(注)2014年は5月1日午後に、函館地方気象台から函館の「桜の満開」が発表されました(五稜郭公園の標本木で観測)。平年より3日早く、昨年よりは11日早い満開です。まだ木によって開花状況にバラつきがあり、咲き切っていない花も多く見られ、5月1日現在では全体としてふんわり感が少ない印象です。
五稜郭の桜は見上げるだけじゃない!
五稜郭タワー株式会社によると、五稜郭公園内にある桜は、ソメイヨシノを中心に約1600本。元々は桜がなかった五稜郭に大正12(1923)年に初めて5000株が植えられましたが、現在の1600本は、昭和40年代(1965~1975)に植えられたものだそうです。
▼横に広がり、何本もの添え木で支えられた大きな桜
▼桜のトンネルも!
五稜郭公園の桜の魅力は、何といっても色々な目の高さから楽しめること。土塁の上を散歩していると、一段低い所から生えている桜の木の花が、「見て見て」と言わんばかりに枝を伸ばし、存在をアピールしています。
土塁の上から、下方にある桜の花を近い位置で眺めたり、異なる高さの桜の木の列が並び、花が広がるさまを俯瞰できるのも、五稜郭ならでは。土塁の角でお弁当を食べながら桜を楽しむ姿も見られます。
▼高い位置の桜と低い位置の桜を俯瞰できる
▼一段低い位置に生えている桜、その枝が目の前に広がる
▼ボート上からも桜を楽しめる
五稜郭らしい背景の、五稜郭タワーや箱館奉行所と、どう絡めて写真を撮ればバランスが良いか、土塁を上ったり下りたり様々な角度から探るのも、ちょっとした運動になります。
▼箱館奉行所と桜
▼五稜郭タワーと桜
忘れてはいけない花見客
カモメが花見に訪れることも、函館らしいところでしょう。桜のシーズンには、花見客が広げる美味しい食糧のにおいに引き寄せられ、普段よりカモメの数が多いような気もします。優雅に飛んでいる姿には趣きがあるのですが、この時期のカモメは、時にカラスよりも勢いがあります。食べ残しを放置して席を立ったりすると、たちまちつつきにやってくるカモメたちで大変なことになることも!食糧の管理には十分気を付けましょう。
▼花見に来たカモメ
タワーからの五稜郭全景や夜桜も
高さ約90mの五稜郭タワー展望台にエレベーターで上れば、桜の中に浮かび上がる星形の五稜郭を眺めることができます(展望料金がかかります)。夜間は450個の提灯の灯りが、桜を照らします(平日21時まで、土日祝22時まで。~5/18)。