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ススキノラフィラに「ありがとう」の声―札幌松坂屋から46年の歴史に幕

  

2020年5月17日、札幌市中央区すすきの交差点の商業施設「ススキノラフィラ」(運営:ススキノ十字街ビル株式会社)が閉館しました。20時過ぎ、従業員が頭を下げる中、1階のシャッターが下ろされ、前身の札幌松坂屋から数えて46年、ススキノラフィラのグランドオープンから11年の歴史に幕を下ろしました。老朽化と未耐震のため取り壊しの後、新しい商業施設を建設予定です。

「ススキノ十字街ビル」の歴史

▼ノルベサ観覧車ノリアから見る「ススキノラフィラ」
ススキノラフィラに「ありがとう」の声―札幌松坂屋から46年の歴史に幕

すすきの交差点といえば、半世紀以上に渡り北海道最大の繁華街の入口となるススキノ十字街を見守ってきたニッカウヰスキーの「キング・オブ・ブレンダーズ」看板が有名です。一方で忘れてはならないのが、数年後に新築され、傍らでその交差点を見守ってきた「ススキノ十字街ビル」。すすきの交差点を撮影すれば、その姿がちょっと写り込むものでした。

1974年6月8日の新築時は「札幌松坂屋」を中心に開店しました。当時は札幌冬季オリンピックから2年後という時代で、ススキノに高級志向の百貨店ができたことで、地元ではかなりの注目を集めました。

しかし、開業からわずか5年も経たない1979年1月に閉店。松坂屋がイトーヨーカ堂と業務提携したことにより、大改装し同年4月28日に「ヨークマツザカヤ」になりました。閉店時間を延ばすことで地元すすきのの需要にこたえたり、地下食品売場を一般庶民でも受け入れられるスタイルに変更されたのはこのときでした。

1994年3月には、ロビンソン・ジャパンが「ヨークマツザカヤ」を引き継いだことにより「ロビンソン百貨店札幌」に変更。しかしそれも、2002年4月に大幅リニューアルするなど努力したものの、2009年1月18日に閉店。前身から数えて34年の歴史にいったん幕を下ろしました。

▼1994年~2009年まで営業した「ロビンソン百貨店札幌」
ススキノラフィラに「ありがとう」の声―札幌松坂屋から46年の歴史に幕

ロビンソン閉店後は3~8階の「専門店街ラフィラ」で営業継続しながらリニューアルを行い、2009年3月26日に約120店舗で構成する「ススキノラフィラ」としてグランドオープンしました。

新名称の「ラフィラ」はフランス語の女性冠詞「LA」と、フランス語「紡ぐ=FILER」をあわせた言葉。「女性的な優しさ、豊かさ、麗さ、都会的、自由さ、お客様に豊かで素敵な毎日を過してもらいたい。夢や心を紡ぎたい」というのがその思いで、女性向けの商業施設として営業していく意気込みを感じさせました。

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ススキノ十字街ビルの変遷

  • 1974年6月8日 「札幌松坂屋」オープン
  • 1979年1月 「札幌松坂屋」閉店
  • 1979年4月28日 「ヨークマツザカヤ」オープン
  • 1994年3月 「ロビンソン百貨店札幌」に変更
  • 2002年4月 大幅リニューアル
  • 2002年6月 3~8階に「専門店街ラフィラ」オープン
  • 2009年1月18日 「ロビンソン百貨店札幌」閉店(専門店街ラフィラは営業継続)
  • 2009年3月26日 「ススキノラフィラ」グランドオープン(イトーヨーカ堂オープン)

閉店前の施設内の店舗群

店舗部分は地上8階・地下2階建て(建造物としては地上8階・地下3階・塔屋3階建て)で、屋上には「スカイガーデン365」、地下2階からは札幌市営地下鉄南北線すすきの駅に直結していました。この地下鉄駅連絡口周辺は「ロビ地下」と呼ばれ、すすきのの待ち合わせスポットして人気でした。

▼地下鉄駅との連絡口は待ち合わせの名所「ロビ地下」
ススキノラフィラに「ありがとう」の声―札幌松坂屋から46年の歴史に幕

ススキノラフィラに「ありがとう」の声―札幌松坂屋から46年の歴史に幕

地下1階・2階は、道内13店舗目となった「イトーヨーカドーすすきの店」の食品特化型店舗(面積4,514平方メートル)。地下1階は食料品売場、地下2階は専門店テナント23店舗が入居可能な「ラフィラマルシェコート」で、スターバックスコーヒーや蕎麦店、洋菓子店、チーズやワインのショップ、タピオカ専門店が営業していました。

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基本的にレディスファッションのショップが大半を締めました。1階にはコスメ・ドラッグ・服飾雑貨、2階はカジュアル・バラエティ雑貨や文具店、3階はヤングカジュアルや喫茶、4階はミセスクロージングや100円ショップのキャン・ドゥ、5階はメンズファッションや軽食喫茶、文教堂書店、6階は生活雑貨・家具インテリアショップ、7~8階はグルメコートやラフィラホールとなっていました。

「ありがとう!」の惜別の声を受けてシャッターが下りる

閉館の発表および報道はかなり前からなされていましたが、閉店直前になって新型コロナウイルス感染症蔓延という未曾有の事態に直面。イトーヨーカ堂などを除き、一部店舗が休業要請を受けて臨時休業に入り、そのまま閉店を迎えることになりました。

2020年5月17日の閉店セレモニーは中止に。それでも20時には多くの人たちが駆けつけ、46年間すすきので愛されてきたススキノ十字街ビルの最後を見届けました。

▼閉店の時。来館者からも「ありがとう!」の声が飛ぶ
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▼「ありがとう さようなら さっぽろ」と掲げられた外側のシャッターが下りる
ススキノラフィラに「ありがとう」の声―札幌松坂屋から46年の歴史に幕

ススキノ十字街ビルは6月に解体作業がはじまり、2023年に新しい複合施設が開業される予定です。

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