「日本セーラー女子団」。一度聞いたら耳に残るその名前、実は札幌を中心に活動するアイドルグループのことです。グループ名に「日本」を掲げ、北海道で日本を背負っていきたいと意気込むメンバーたち。9月にはタイで行われたジャパンエキスポにも出演し、国内外で知名度を上げています。「日本セーラー女子団」とはいったいどんなグループなのでしょうか?
セーラー服を身にまとい、歌い、踊るメンバーたち
▼かわいさとかっこよさを兼ね備えたかのようなステージ
黒を基調とした「さくら劇場」にはこの日、20名ほどのファンが集まっていました。スポットライトが当たるステージに立つのは、背番号を縫い付けた、白または紺のセーラー服姿のメンバーたち。ペンライトが暗闇で光り熱気に包まれる中、彼女たちは激しいダンスとともにオリジナル曲を歌いあげ、曲と曲の合間には短い演劇も披露しました。
【動画】ダイジェストPV
ここは「日本セーラー女子団」の拠点となる、道内でも少ないグループ専用常設劇場。2016年4月にオープンした「さくら劇場」では現在、毎日18:50(土日は13:30・18:50)から「日本セーラー女子団」もしくは「日本セーラー女子団2」の2つのグループが定期公演を行いファンを魅了しています。
▼札幌すすきのにある専用劇場「さくら劇場」
夢を叶えられる場所を札幌に
仕掛け人の井上景介さんは大阪出身。22歳の時に東京から札幌にたどり着き、10年近くすすきのの飲食店で働いていました。30歳を目前にした時、お世話になってきた北海道に貢献したいと、畑違いだったアイドル業界で挑戦することを決めたと言います。
「芸能界を目指す人は東京に行きたいという人が多いんです。それは札幌に公に活動できる環境が整っていないから。上京しなくても夢を叶えられる場所を札幌に作りたいと思いました」と井上さん。アイドルをゼロから学び始め、10年間で貯めた貯金すべてをつぎ込んで準備を進めました。
2015年、グループ結成に向けて本格始動。同年5月、メンバー募集の呼びかけに全国・海外から728名の応募が集まりました。容姿ではなく歌とダンスだけで評価する厳格な審査を経て、11月に10名を選定、「日本セーラー女子団」を結成しました。
井上さんにとって女性のイメージはセーラー服であったことから「セーラー女子団」、また日本を代表するグループとして、北海道で日本を背負っていくという意気込みから「日本」を冠したグループ名に。「名前はストレートに決めました」と井上さんは話します。
「もともと歌やダンスが好きで」(三浦さん)、「地元北海道で有名になりたかった」(兼村さん)、「自分を変えるきっかけにしたかった」(鈴森さん)と応募動機は様々。「日本セーラー女子団」とは「真剣音楽」と口をそろえて話す。
北海道にとどまらないアイドルグループとして
札幌の専用劇場「さくら劇場」を拠点にしている「日本セーラー女子団」ですが、さっぽろ雪まつり、すすきの祭りなど、会場を飛び出したライブ活動も積極的に行っています。東京で行ったライブには約150名が集まり、今も東京からわざわざ来る熱烈なファンもいるといいます。
9月1日(金)~2日(土)には初の海外遠征が実現。タイで行われた「ジャパンエキスポ イン タイランド」で公演する機会に恵まれたのです。ジャパンエキスポといえばAKB48など大物アーティストしか出演できないイメージがありますが、「海外と結びつける活動をしたくて、気持ちだけで申し込んでみたら実現しました」と井上さんは笑います。
メンバーもこの日にかける意気込みは強く、タイ語を勉強。「こんにちは! タイのみなさんに会えて嬉しいです」とタイ語でスピーチすると、満員となった会場は拍手喝采。観客が曲に合わせてリアクションして盛り上げてくれたと会場の様子を振り返ります。握手会では行列ができ、言葉の壁を越えた交流が生まれました。
▼メンバー全員が参加した「ジャパンエキスポ イン タイランド」の公演
【動画】「ジャパンエキスポ イン タイランド」の公演の様子
メンバーは「タイの人たちに、ぜひ次は北海道のさくら劇場に来てもらいたい」と口をそろえており、井上さんも「近年増加しているインバウンドを取り込んでいきたいですね。今後もアジアを中心に海外公演に積極的に参加していきたいですし、メンバーとともに北海道の良さを伝えていきたいと思います」と話しています。
グループ名に「日本」を掲げた「日本セーラー女子団」。諸外国との架け橋になるべく、これからも日本を背負って活躍の場を増やしていくことでしょう。
公式サイト:http://sailor-girls.jp/
さくら劇場の所在地:札幌市中央区南4条西2丁目10-1 南4西2ビルB1
入場料:2,000円
公演日時:1部13:30開演(土日のみ)2部18:50開演(毎日)
※写真は「日本セーラー女子団」提供