海氷結氷の南限は、オホーツク海です。知床を経て根室海峡、珸瑤瑁水道に至ります。基本的に太平洋に流れ込まないのが通常ですが、数年おきに釧路までやってくる場合もあります。
一方、ここでは、湖沼の結氷について紹介します。北海道内の湖沼はすべて結氷するというわけではありません。というよりも、最北の不凍湖が北海道内にはあります。
そもそも結氷とは、水面の気温が0度以下になった時に水が凍結するもの。特にマイナス10度近くになれば間違いなく凍結します。降雪があると、特に凍りやすくなります。湖では湖氷といい、湖すべてが凍結すると全面結氷、全面凍結といいます。
北海道内の結氷する湖沼
日本最北の不凍湖、つまり水面が結氷しない湖の最北は、支笏湖です。ただし、支笏湖に限っては、水深が深いため、奥底の水が温かく、水面が凍りにくいので不凍湖になります。しかし、1978年、2001年には、強い寒気の影響で珍しく全面結氷しました。
同じく洞爺湖も不凍湖ですが、2001年には支笏湖と同じく部分結氷しました。一方、白老町の倶多楽湖は結氷する湖として知られます。御神渡が見られたこともある湖が、2022年にも不凍湖になってしまうという研究もあります。温暖化の影響でしょう。
サロマ湖でも異変が起きています。例年は全面結氷しますが、2004年、2007年は全面結氷せず、2009年には結氷が4分の1にとどまりました。
全面凍結する湖の代表例は、屈斜路湖です。全面結氷の湖では国内最大級といわれています。近くの摩周湖は、水深が深いため全面結氷せず部分結氷です。阿寒湖は全面結氷します。
主な道内の湖のうち結氷するしないを分類してみました。不凍湖は数少ないことがわかります。北限が支笏湖や洞爺湖ですので、道北、道東では基本的には全面、部分結氷問わず結氷するということになります。しかし、道南でも結氷するところもあり、水深や気温など、当地の地理・気候条件によって大きく変わることがわかります。
クッチャロ湖(3m) 結氷
サロマ湖(20m) 結氷
網走湖(17m) 結氷
能取湖(23m) 結氷
濤沸湖(2.5m) 結氷
阿寒湖(45m) 結氷
摩周湖(211m) 結氷
屈斜路湖(117m) 結氷
風蓮湖(11m) 結氷
厚岸湖(11m) 結氷
塘路湖(7m) 結氷
チミケップ湖(23m) 結氷
ウトナイ湖(1.5m) 結氷
オンネトー(10m) 結氷
然別湖(108m) 結氷
糠平湖(20m) 結氷
かなやま湖(51m) 結氷
渡島大沼・小沼(13m) 結氷
倶多楽湖(148m) 結氷
支笏湖(363m) 不凍湖
洞爺湖(180m) 不凍湖
全面結氷する湖沼では、冬季にワカサギ釣りが解禁になるところもあります。氷の厚さが20cmを超えると安全基準を満たしている、網走湖、かなやま湖、桂沢湖、朱鞠内湖などでワカサギ釣りを行うことができます。