馬場広太郎・独協医科大名誉教授らの疫学調査が興味深い。都道府県別のスギ花粉症有病率の調査結果が発表され、北海道が一番少ないことがデータで裏付けられました。これまでも、スギ花粉が少ないことで知られていましたが、他都府県との比較データから、北海道が本当にスギ花粉症の少ない地であることが証明されたというわけ。
この調査結果によると、1998年と10年たった2008年の合計2回行われました。サンプルデータは全国1万人。有病率最高を記録した山梨県(26.9%・44.5%)と最低を記録した北海道(2.9%・2.2%)とでは、約20倍の差があるようです。北海道はスギ花粉症有病率2~3%ということになります。
次は、国内の都道府県別平均スギ花粉症有病率データです。全国的にみても少ない東北地方との差も大きいことが分かります。2年だけなので、こうした調査が毎年行われると、より正確な統計が取れる可能性があります。
全国平均 20.1%
北海道 2.6% 最小1位
青森県 12.2% 最小9位
岩手県 10.8% 最小5位
宮城県 26.9% 最大8位
秋田県 11.1% 最小6位
山形県 24.1%
福島県 20.1%
茨城県 23.0%
栃木県 30.8% 最大5位
群馬県 25.6%
埼玉県 32.2% 最大4位
千葉県 26.3% 最大9位
東京都 26.3% 最大9位
神奈川県 25.6%
新潟県 13.2%
富山県 12.9% 最小10位
石川県 14.9%
福井県 17.5%
山梨県 35.7% 最大1位
長野県 25.5%
岐阜県 28.8% 最大7位
静岡県 32.3% 最大3位
愛知県 22.8%
三重県 29.0% 最大6位
滋賀県 19.5%
京都府 24.8%
大阪府 20.1%
兵庫県 15.9%
奈良県 15.9%
和歌山県 18.9%
鳥取県 17.9%
島根県 13.6%
岡山県 15.3%
広島県 22.3%
山口県 21.9%
徳島県 21.1%
香川県 17.7%
愛媛県 24.7%
高知県 33.5% 最大2位
福岡県 14.7%
佐賀県 22.9%
長崎県 11.6% 最小7位
熊本県 12.0% 最小8位
大分県 18.6%
宮崎県 9.9% 最小4位
鹿児島県 8.4% 最小3位
沖縄県 3.3% 最小2位
統計をみると、東北、九州といった日本の両端と、北陸を中心とする日本海側でスギ花粉症有病率が低いといえます。一方で、全体的にみて太平洋側の関東・東海で多いようです。こうして比べて見ると、北海道のスギ花粉症が特に少ないことが分かります。ということで、スギ花粉症に悩む全国の方、北海道への移住はいかが?