日本最長!北海幹線用水路って何?

 普段、なかなかお目にかかることができない、しかも日常生活で使わな
いし、意識して探さないと見つけるのが困難な”北海道遺産”。でも、日
本一の長さを誇ります。「北海幹線用水路」。何のことだ?とか、初めて
知った、という方も多いはずです。

北海幹線用水路とは……

 北海幹線用水路とは、その名の通り、用水路です(北海道幹線用水路では
ないので注意)。しかし、幹線でありスケールがビッグです。十数メートル
に及ぶ用水路幅もそうですが、特に長さは国内トップクラスで、総延長80
km
とも90kmとも言われており、農業専用の用水路としては国内最長です。

 北海道幹線用水路があるのは、空知地域。石狩川に並ぶように空知北部
から空知南部に向かってほぼ南北にひかれています。赤平市の「北海頭首
工(ほっかいとうしゅこう)」
と呼ばれているところがスタート地点(住吉)。
この用水路の源流ともいえる場所で、空知川から分水しています。その水
量は毎秒42t。

 赤平市の次は砂川市、奈井江町、美唄市、三笠市と、国道12号線の東側
をほぼ並行する形で南下します。途中で、三笠市桂沢方面から取水した
「市来知幹線(いちきしりかんせん)」という別の水路とも合流します。

 続いて岩見沢市、さらに国道234号線に沿う形で栗丘まで続き、その後、
夕張川を超えます。川を越えるには「夕張川サイフォン」という仕組みを用いています。直径2mのコンクリート管をU字にうめたものです。流入口のほうが高いのでポンプを使わず逆流せず流出する仕組みです。北海幹線用水路では同様のシステムを8か所採用しています。

 その後、終着地の南幌町まで、空知管内(5市2町)を縦貫します。
北海幹線用水路の恩恵を受ける受益面積は、幹線用水路の西側の平野部を
中心に約1万6500ha。赤平と南幌の高低差は28mほどで高さに違いあり。

北海幹線用水路ヒストリー!





 意外と歴史が古い北海幹線用水路。この用水路が流れるのは道内有数の
米どころ、水田地帯が広がる空知地域です。本格的な水田開発が始まった
のは北海道土功組合法が公布された1902年以降。空知地区の岩見沢川向地
区で土功組合設立、用水路が建設されるようになりました。

 1909年には、北海幹線用水路の前身となる用水路の建築計画が出てきま
したが、実現せず。その後大正時代に入っても計画が再浮上しますが、着
工できたのは1924年のこと。結成された北海土功組合(現在の北海土地改
良区)により、赤平から6工区に分けられ、灌漑(かんがい)用水路建設工
事が着工したわけです。

 泥炭地で、河川、道路、鉄路があったため、水路橋、サイフォン、トン
ネルなどを設けた難工事となりました。用水路整備にL型ブロック工法、
河川を横断するよう水路にはシールド工法を使う、など当時としては最高
の技術を用いました。それにもかかわらず、完成したのはわずか4年4ヶ月
後の1929年のこと。


 戦後、食料不足のため、食糧増産が急がれました。それで、空知地区の
水稲生産を向上させるため、1957年に改修工事を含めた国営総合かんがい
排水事業「美唄地区」
の整備が始まりました。1972年に全線改修工事が完
了しました。1979年からは国営かんがい排水事業「空知中央地区」の整備
も始まり、改修工事が続けられています。

 開拓時代からの古い歴史を持つ北海幹線用水路は2004年、北海道遺産
二回選定分に選定されました。最近では、北海幹線用水路ウォーキング大
会とか、景観美化活動も地域ぐるみで行われるようになってきています。

 用水路を見るのに楽なのは、国道沿いがベスト。美唄市と三笠市の境界
線近くの国道12号線沿い(峰延)には、北海道遺産の看板があるほか、すぐ隣に用
水路が流れているので、興味ある方はぜひ。

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