夏なんてまだまだ先? いえいえ、そんなことはありません。札幌の夏の風物詩であるPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)のチケット発売時期が、いよいよ迫ってきました! 今年は創設者レナード・バーンスタインの生誕100年にあたるメモリアルイヤー。そんなPMF2018をより楽しむために、ここで予習をしておきましょう。
バーンスタインを聴く~音楽編~
レナード・バーンスタインの楽曲といえば、なんといってもミュージカル映画『ウエストサイド・ストーリー』が有名でしょう。劇中で使われる印象的な音楽の数々は、それぞれの場面で生き生きと輝き、今なお色あせない名曲として愛され続けており、PMFでもよくアカデミー生たちによって演奏される、お馴染みの楽曲です。
▼PMF2017でも大いに盛り上がった
もちろん、バーンスタインが世に残した名曲はこれだけではありません。中でもよく知られている曲として『セレナード』があります。1954年の作品で、正式には『ソロ・ヴァイオリン、弦楽オーケストラ、ハープと打楽器のためのセレナード(プラトンの『饗宴』による)』という長いタイトルが付けられています。その名の通りプラトンの『饗宴』にヒントを得たとされ、5つの楽章それぞれに哲学者や詩人の名前が付けられた、アイデアと多様な表現が満載の作品です。
今年は、ヴァイオリニストの五嶋みどりさんが演奏されるということでも、大いに話題になりそうな予感。音楽ファンには有名なエピソードですが、かつて10代の五嶋さんが弦が2度も切れるアクシデントに見舞われながらもバーンスタインの指揮で演奏を完遂したのが、実はこの楽曲でした。
▼第1回目のPMFにも登場した五嶋みどりさん
もうひとつ、バーンスタインの作品をご紹介しましょう。1981年作品の『ハリル』です。ヘブライ語で「フルート」の意味を持つこの楽曲は、1973年のイスラエル戦争においてわずか19歳の若さで戦死したフルート奏者、ヤーディン・タネンバウムと彼の同胞たちに捧げられたと言われています。フルートの叙情的な旋律とオーケストラの織りなす世界観は劇的で、バーンスタイン自身、これは言うなれば夜の音楽で、夜のイメージが衝突しあうのだと解説しています。
今回のPMF2018で演奏するのは、ロシア人フルート奏者で、PMF修了生でもあるデニス・ブリアコフ氏。世界最高峰と賞される彼のフルートが、バーンスタインの精神とどうリンクするのか、聴きどころです。
▼『ハリル』と同じく1981年生まれのブリアコフ氏
楽曲の背景や歴史を知ると、より楽しみも膨らむというもの。夏の訪れが、ますます待ち遠しくなりそうです。
チケット販売のスケジュール
4/8(日)10:00~ PMF2018フレンズ(賛助会員)先行予約(全公演)
【リンク】PMFフレンズとは
4/21(土)10:00~ PMFオンラインサービス(無料ネット会員)先行予約
4/28(土)10:00~ 一般販売(各プレイガイド)※一部公演は発売日が異なります。
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