苫小牧にペレット窯の本格ピッツァレストラン「Pizzeria Popolare」オープン

苫小牧市のJR糸井駅近くに2021年7月21日、道内では珍しいペレット窯による本格的なピッツァレストラン「Pizzeria Popolare(ピッツェリア ポポラーレ)」(以下、ポポラーレ)がオープンし、話題となっています。胆振の食材に惚れ込み、あえて苫小牧に出店したというオーナーの木村幸裕さんに話を伺いました。(トップ写真:マリナーラ。提供:ポポラーレ)

胆振の食材の魅力に気づいて

木村さんは札幌市出身。東京・銀座で学んだ後、故郷の北海道で店を開くことにしました。

「ある日、妻が買ってきてくれた ほうれん草に感銘を受けました。濃くて甘みがあって。産地を見ると胆振の伊達市でした。直接農家に突撃し、ファンであることを伝えました」と、木村さんはきっかけについて振り返ります。

糸井駅近くに誕生した本格ピザ店(提供:ポポラーレ)

胆振の食材の魅力に気づいたことで、野菜を中心に胆振の食材を積極的に使った本格ピザ店を、同じく胆振の苫小牧市にオープンすることを決意しました。

時期によって異なりますが、例えば、とうもろこし、なす、きゅうりといった野菜の多くは胆振産。また、樽前湧水豚の豚肉、苫小牧で水揚げされるイシガレイなども使用してきました。地元の人も知らないような食材を使うようにしていると言います。

珍しいペレット窯を使用し600度で焼き上げる

約600度で焼き上げるペレットのピザ窯(提供:ポポラーレ)

ピザを焼くピザ窯の燃料は、薪ではなくペレット。道内ではここにしかない窯を使用しています。その理由について木村さんはこう話します。

「ペレットとは、細かくした端材を成型して固めた燃料ですが、中でもホワイトペレットと呼ばれる幹の白い部分だけを使っています。これを使うことによって、木と同じような香りが付き、独特の香りが付きます。窯の温度は600度くらいと高温で、1分ほどで焼きあがるので、中の水分が飛ばず、薄くてもふわふわ・モチモチの生地になります」

他では味わえない生地の食感と香りを楽しむことができるというわけです。石窯はピザを焼くだけでなく、余熱を活用したオーブンとして、フォカッチャなど様々なメニューで使われています。

ピザのレパートリーは約10種類

マルゲリータ(提供:ポポラーレ)

ポポラーレのピザは、約10種類あると言います。ピザメニューのスタンダードかつイチオシは、「マルゲリータ」「マリナーラ」「クワトロフォルマッジ(贅沢4種のチーズ)」の3種類。

他にも、北海道産キノコを使ったピザや、生ハムのサラダピザなど野菜を使ったピザメニューがあります。ピザには、自社ブレンドしたイタリア産小麦やモッツァレラチーズを使っています。

マリナーラ(提供:ポポラーレ)

ランチタイムはピザを中心としたメニューで、ディナータイムはパスタやお酒も提供します。例えば、牛の胃袋(ハチノス)を3時間下処理で煮込んで臭みを消しトマト煮込みにした「牛トリッパのトマト煮」、子どもでも楽しめる揚げピザのような「ゼッポリーニ」も提供。

また、苫小牧では数少ない「自然派ワイン」、ワイングラスで飲める日本酒も提供します。

庶民的に、普段使いで

店名「ポポラーレ」は、「気軽に、庶民的に」を意味するイタリア語に由来します。きちんとした服装で行かないといけないと考える必要はなく、普段使いしてほしいという思いが込められています。

ディナータイムの様子(提供:ポポラーレ)

ディナータイムは飲みに行けるようなお店を目指しており、それに合うようなおつまみ料理も幅広く展開しています。オープンからわずか1カ月ですが、一人飲みから家族連れまで幅広いお客さんに親しまれています。

「(ポポラーレは)苫小牧の西端にありますが、東端のほうまで口コミで広がっていて、市民も多く来てくださっています。夜の価格帯は決して安いわけではありませんが、リピータとしてくださる方も増えています。苫小牧愛が強いスタッフで、地元の方に愛されるお店作りを目指しているので、皆様に愛される店になるように頑張ってまいります」(木村さん)

店内の様子(提供:ポポラーレ)
所在地 苫小牧市日吉町3丁目9-6
電話 050-8881-4982
営業時間 11時~14時半、17時~21時(いずれもL.O.30分前まで)
定休日水曜日
座席数 16席(テーブル12席、カウンター4席)

※イートインの他、テイクアウト、デリバリー(外部サービス)も可