小樽運河に浮かぶカフェをご存知?船上の「カフェ艀(はしけ)」

小樽と言えば小樽運河、様々な歌や映画、ドラマ等の舞台として取り上げられ、道民にかぎらず誰もが知る観光地です。
1923年(大正12年)に海岸を埋め立てて作られ、湾曲した形が特徴の運河で、1986年(昭和61年)に散策路や街園を整備した現在の形になっています。

最近その運河に浮かぶカフェがあると話題になっています。
運河沿いにある石造倉庫の一角にでもできたカフェなのかとも思いましたが、
いえいえ実際運河に浮かんでくつろげるカフェでした。

運河に浮かぶとは、どういうこと?

道道454号(小樽海岸公園線)及び、道道17号(小樽港線)沿いに約1km続く小樽運河。
石造倉庫が並び多くの人が集まる場所ではなく、北側に位置する通称「北運河」と呼ばれる場所にそのカフェはあります。
運河の幅は20mですが、北運河は幅が40mあり、道沿いに多くの船が停泊しています。
小樽運河として目にする写真や映像では、なかなか目にしない光景ですので新鮮に見える場所です。

道沿いを歩くと、パラソル付きのテーブルと白いベンチ、メニューが書かれたボードと「OPEN」と書かれた板が目に入ります。
まさか、こんな小さなカフェ? 事前に情報が無ければそう思うかもしれません(笑)。

ボードの上には「上のチャイムを押してネ!」と書かれてあり、ボタンが設置してあります。
奥には目を引く赤と白の二隻の船が並んでおり、一方の船には「BOOT CAFE HASHIKE」と書かれた浮きが目立ちます。
その船の正面に、甲板から船内へ降りていく小さな穴が開いていて、「Cafe 入口」と書いてあります。
なるほど「運河に浮かぶカフェ」とは、船の上がカフェになっているお店の事なのでした。

オタモイ号と祝津号

お店の船を見て、どこかで見たことがあるなぁと感じる人もいるでしょう。
この二隻の船は、3年前まで現役の観光船だった「オタモイ号」と「祝津号」なのです。

惜しまれつつ引退した船が、カフェとして復活していたのです! 
観光船の時に乗ることができなかった方も、ファンの方にとっても嬉しいことですよね。

居心地の良い空間と、美味しいコーヒー

二隻並んで留められている船のうち向かって右側の船にカフェへの入り口があります。
ボードのチャイムを押してから、船の入り口から中へ入り、奥にある右の階段を登るとカフェへ到着です。
屋根には赤い布が張ってあるため、店内はほのかに赤みがかった色に染まっていて、
こぢんまりとした可愛らしい空間となっています。


お店のメニューは、「ホットコーヒー 500円」、「ホットサンド 500円」、「アイスカフェオレ 500円」と
基本ワンコインという値段設定。
ホットコーヒーは、注文を受けてから淹れるのですが、紅茶のようにサーバーごと出てきます。
さらに小さめカップでいただく形なので、普通より飲むペースが抑えられ、ゆっくりと楽しむことができます。
そのカップで4杯ほど楽しむことができるので、お得感もありますね。

イチオシなのは「プレミアム・カフェオレ 800円」。
注文を受けてから淹れるコーヒーと、オーナー厳選のミルク、それが他では見かけないカップに注がれて
出てくるのですが、その姿と味のマッチングが人気というのに納得です。

船の後ろにあたる部分には、船から張り出したスペシャルな席があります。
「ブルーマウンテン+秘密のケーキ」というスペシャルメニューを頼むと利用できます。
また、このような席に限らず、船上にいることを写真に残したいという思いは自然に湧いてきますよね?
そんな方のために、自撮り棒のレンタルもあります。

日本で唯一? 気軽に楽しめる船上ライブスペース

もう一艇の船にもカフェと繋ぐ橋が渡してあり、行き来できるのですが、そちらの船はなんと、
音楽を楽しめる空間となっています。
ドラム、ギター、ベース、キーボード、スタンドマイク等の楽器が揃っていて、
腕に覚えのある方も、そうでない方も、気軽に演奏できるようになっています。
日本中を回ってライブ活動する方々も、船上で気軽に演奏できる場所は見たことがないと驚くようです。

ヨットマンならではの、もてなしの心と思い

そんな楽しい船上のカフェ艀(はしけ)、オーナーの川村栄さんにいろいろお聞きしました。
もともと川村さんは自身でもヨットを所持しているヨットマンです。
そのため、港や船等に関係にしたお知り合いも多く、引退した「オタモイ号」と「祝津号」の話が舞い込んだようです。

二艇の風貌から、なにかお店が出来るのではないかと考え、カフェの開店へと繋がるのですが、
もう一つ、様々な音楽を多くの方に聞いてもらいたい、知ってもらいたい、
一緒に楽しんでもらいたいという思いもあり、一艇を音楽を楽しめる空間にしたとのことです。
ライブスペースの使用や、貸切などは応相談とのこと。
今までにない楽しいイベントを行えそうで、色々と企画したくなりますね。

このカフェ艀で感じる楽しさは、オーナー川村さんのヨットマンでの経験からくる、
自分の船に訪れた方には最大のもてなしをし、一緒に楽しもうという気持ちが表れているのでしょう。
川村さんのお話の中からは、もっと色々な世界のこと、文化のことを知って欲しい、知ろうとしてほしいという思いが
感じられました。

▼一杯のコーヒーを、自ら丁寧に淹れてもてなす

最近、積丹町の美国でも、「ベルーガ」(白イルカ)という名前のお店をオープンさせたそうで、
こちらでも、もっと多くの方に様々な音楽に触れる機会を持って欲しいとの思いから、
今後、ライブスペースを増設させる予定のようです。

運河の水面を渡ってくる風と、カモメの鳴き声、さらに微かに揺れるお店。
ゆっくりと心地よく、とびきりの時間を過ごせます。
小樽へ行った際には必ず寄りたいカフェですね。

船の周りには魚がいっぱい泳いでいます / 定期的に運河の観光船が通り過ぎて行きます



BOOT CAFE 艀(はしけ)
所在地:北海道小樽市色内3丁目11 小樽運河
TEL:090-5078-7060
営業時間:11:00~23:00
定休日:毎週月曜日+不定休